協力ギャラリー
高萩市在住 五浦天心焼研究会 小野瀬三枝子さん インタビュー
北茨城市のお隣、高萩市でそらまめ工房として活動する小野瀬さん。 30年程前に勤めていた工房で焼き物と出会った。以来、一旦は子育てや家庭の事情で焼き物から離れていたが、いつかまた作りたいなという想いをずっと持っていたのだそう。そんな小野瀬さんが念願叶って、自宅を増築して作陶が出来るスペースを作り始めたのが、そらまめ工房。
小野瀬さんが作り出す陶器は、絵本のような独特な世界観を持っている。一般的な焼き物の印象と比べると異色な雰囲気がある。「年輪がないような感じで…」と謙遜される小野瀬さん。確かに、一般的な焼き物の印象と比べると異色な雰囲気はあるが、精力的に出店される各地のマーケットではなかなか好評なのだという。小野瀬さんにしか作れない陶器があるのだと思う。制作の様子を拝見すると、丁寧に丁寧に色を重ねていく小野瀬さんの様子は陶芸家というよりも、絵本作家やイラストレーターのよう。
五浦天心焼研究会に入ったきっかけは、もともと手捻りが好きだったという小野瀬さんが自分の工房を持つのであれば覚えなければと、研究会メンバーの川松さんにろくろ挽きを教えてもらったことに始まる。メンバーは個性的で、自分では思いつかない発想にいつも刺激をもらうのだそう。昨年末に開催された、陶器デザイン募集企画では、小学生達が発案したデザインを元に創意工夫し陶器作品に仕立て上げた。当日は少し緊張気味の小野瀬さんが印象的だったが、「大変でしたけど、楽しかったですね。出来上がった陶器をデザイン発案の小学生が家に持って帰ったら割れちゃったみたいで(笑)ちょうど今、それを作り直してるんです。」地域に寄り添うものづくりを淡々と続けていく大事さを感じた。