協力ギャラリー
耕作放棄地に花を咲かせる桃源郷
北茨城市に移住して6年目。地域おこし協力隊を経て、集落支援員として桃源郷をつくる芸術家・石渡のりおです。今回は、集落の耕作放棄地に花を咲かせる取り組みを紹介します。
キーワードは耕作放棄地。耕作が放棄された土地が日本中に広がっています。都市には人が集中して競争が生まれ、地価は上がり家賃も高くなります。その一方で地方は、使われていない土地が増え放棄されていくのです。とても不思議な気持ちになります。ぼくはそんな土地のうえに暮らしているのです。もちろん放棄地とは名前だけで誰かが所有しています。この揚枝方地区では、所有者は分かっているので、その方に説明してご理解頂けた場合、その土地を使わせてもらっています。その代わりに草刈りして整備するのです。
使っていない土地に菜の花を咲かせよう、というアイディアのもと、この取り組みは2020年度からスタートしました。草刈りをして木の根を抜いて耕して。2021年度は北茨城市の体験ツアーで来た方たちに種を蒔いてもらいました。
草刈りは花を咲かすためだけではなく、景観を保つためにもやります。おかげで集落全体が整備された状態になるのです。何よりもここに暮らしていて気持ちがいい。分かりやすく例えると、理髪店や美容院に行って髪の毛を切るのと同じです。草ボウボウよりもさっぱりするんです。
春には菜の花が咲き、秋にはコスモスが咲きます。写真を撮りに来る人や老人ホームからバスで見学にも来てくれるようになりました。ぼくたち夫婦は芸術家ですから、この景色を絵にしました。今年嬉しかったのはずっと欲しかったトラクターを貰ったことです。これで自分で耕せるようになったのです。おかげさまで2023年度も11月中旬に種蒔きしたので、2024年の春にも菜の花が咲く予定です。