作家

  1. ホーム
  2. 作家>
  3. 苔アート作家代表理事 山縣健志

作家

一般社団法人日本苔アート協会
(日本蘚苔類学会所属・日本学術会議協力学術研究団体)
苔アート作家  代表理事 山縣健志

茨城県北茨城市は2017年より「芸術によるまちづくり」を推進している。その一環で、廃校になった旧富士ヶ丘小学校を芸術活動拠点施設としてアーティストに開放をしている。日本苔アート協会もその一室をアトリエ兼、苔アート講座の教室として利用している。協会を束ねるのは、この小学校の卒業生でもある山縣健志(やまがたたけし)さん。北茨城市を拠点に全国・世界へと苔アートの魅力を発信している。
2019年末には空間・木工アーティストのジェイミー・カモウさんをカナダより迎え、廃材を駆使してまるで森の中にいるような空間にアトリエを改装した。空間全体が体感型アートとなっており、各メディアでも注目され、訪れた人々を驚かせている。

門馬 寛子

山縣さんが苔に出会ったのは高校生のとき。京都への修学旅行で、西芳寺を訪れ、見渡す限り苔に覆われた光景に圧倒され、その出会いから35年以上の時を経てもその景色を忘れることはなかった。
数年前に北茨城市内に数寄屋風作りの一軒家を購入。木に覆われた庭を整備すると、以前にその家を別荘として使っていた人が造った庭が現れた。大きな鳥海石などは移動せずに、それを母体にして山縣さんの苔庭造りがはじまった。子供の頃からものづくりが好きだった山縣さんは、すっかり夢中になって1年半ほど掛けて苔庭を完成させた。
「子供の頃は大工さんになりたくて、小学校の校庭に埋めるタイムカプセルに将来の夢は大工さんと書いたら、もっと夢あることを書きなさい、と言われラジオのディスクジョッキーと先生に修正させられたなあ!今もきっとこの学校に埋まっているよ」と話してくれた。

ガラス工房シリカからの眺望

庭を完成させた頃、山縣さんはテレビで苔が特集されているのを観て、苔ブームを予見、すぐに一般社団法人日本苔アート協会を立ち上げた。
協会設立後は、全国の苔にまつわる事業をされている企業や商店に挨拶まわりをし、すぐに打ち解けて苔の手入れの仕方や、入手方法などを教えてもらうことができた。その後、協力したいという団体や個人が後を立たず、各方面からのあたたかなサポートのおかげで、関わる人みんなが夢中になるような協会に成長してきていると山縣さんは話す。

山縣さんは、苔の魅力をこう話してくれた。
「苔は、世界に約2万種類存在し、小さな国土ながら日本には約1800種の苔が認められています。約4億6千万年前、それまで水中にしか生育していなかった生物が、初めて地球の陸地に進出した植物の子孫ではないかと言われています。そして苔は古くから私たち日本人にとって身近なものとして存在してきました。「君が代」には「さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」という悠久の年月を示す詩が添えられています。ジメジメしているなどマイナスなイメージを持たれることもある苔ですが、扱いやすく、老若男女問わず楽しめる苔のアートは、世界的にもブームになっています。近年では苔の特徴を最大限に活用した屋上緑化への利用でも注目されています。」

作業風景 その1

「夢は、多くのインストラクターを養成して、ほとんど毎日、日本のどこかで協会メンバーがワークショップを開催していることです。苔ブームに伴い、苔の乱獲なども問題になっていますが、インストラクターのみなさんには正しい知識を持ち、適切な許可の元に採取された苔を使って正しい普及の仕方をして欲しいと思っています。日本苔アート協会では、国有林や私有林に許可を得て入林しており、現在では県北地区に約156ヘクタールの山林も借りているので、今後は正しい苔の採取法や苔の生態観察なども講座内容に組み入れて行ければと思っています。より多くの人が健全な形で苔と長く付き合っていける形を模索したいですし、苔のもつ奥深い魅力を今後も世界中に発信して行きたいと考えています。」

山縣さんは、母校を舞台に夢を膨らませている。苔の豊かな魅力を伝えるために、日本全国、世界中、誰もがアクセスできるように、いつも苔アートに触れることのできる機会をオープンにしている。

作業風景 その3

作業風景 その4

作品 その1

作品 その2

作品 その5

作品 その6

苔の世界には、正解とか間違っているとかないんです。
苔と触れながら作り上げていく世界は、きっと唯一無二の世界です。だから、何度でも、いつまでも楽しめるのだと思います

一般社団法人日本苔アート協会 (本部)
Web:www.japanmossart.com/
住所:茨城県北茨城市華川町臼場326-36
Tel:050-5471-7237 Fax:0293-27-0030

このページの先頭に戻る