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根付彫刻家
鈴木 鈴

根付彫刻、初めて聞く方も多いのではないだろうか。 江戸時代から続く彫刻芸術で、多くは着物の帯に印籠や煙草入れなどを紐で帯から吊るし持ち歩くときに用いた留め具であった。 根付の持つ高い芸術性は現在、世界中の多くの人々から日本独特の精緻な文化として認められており、日本人の心意気を伝えている。
響きとしては軽くなってしまいそうだが、当時のストラップのようなものだろうか。実際にそのルーツであるとする説もあるそうだ。鈴木鈴さんは、そんな根付を専門にする根付彫刻家である。

鈴木 鈴

ギィゥギィゥギィウと根付の素材である象牙を削る音が室内に響く。 北茨城出身。幼少期からアーティストになりたいと思っていた鈴木さんと根付との出会いは20年程前。 当初は寝食も忘れ、指先程の作品に向き合っていたと言う。 「根付の魅力は洒落味」そう語る鈴木さんの作品には独特のユーモア加減がある。そのユニークな作家性が評価され、根付の収集家として知られる高円宮憲仁親王のコレクションにも作品が収蔵された。

制作風景 その1

制作風景 その2

制作風景 その3

制作風景 その3

制作風景 その4

数センチと小さい作品が多い根付彫刻だが、素材の象牙が高価ということと、芸術的価値とコレクターの存在から数十万円するのが通常だ。 中には江戸時代の希少価値の高いものだと、家ひとつが買える金額のものもある(!)とのこと。

高円宮憲仁親王のコレクション作品
高円宮コレクションに収蔵された作品

根付画像 その1
象牙「王昭君」4.4cm

根付画像 その2
鹿角「スカラベ」巾 4.4cm

どんなイメージソースを基に作品を作られるのですか? と聞いたところ「昔話、小説、童謡などをヒントに作品を作ることが多いです。」とのこと。 なるほど、作品にどこか物語性を感じさせる理由がそこにありそうだ。北茨城出身かの野口雨情の”十五夜お月さん”をモチーフにした作品にも取り組んだことがあるとのこと。 「深みがあるんだけど、くすっと笑えるとかね。 洒落っ気のある世界観をこれからも根付で表現したいと思っています。」

根付彫刻家 鈴木 鈴

鈴木 鈴ホームページ

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